2019年度第5回北辰テストレビュー(数学)

こんにちは。
公立高校受験指導専門塾
英泉塾中浦和校の佐藤です。

9月29日に実施された北辰テスト第5回の結果が、昨日もしくは今日、各ご家庭に届いたかと思います。(英泉塾で申し込んだけど、まだ結果が来ていない!という場合は至急塾にご連絡ください。)

今回は、北辰テスト第5回の数学のレビューをしていきます。

今回の北辰テストの数学で、どの問題を正解すべきだったのか、差がつく問題はどこなのか、といったことについても解説していきます。

北辰テストの全県平均点は47.0点!

今回の北辰テスト(数学)の平均点は47.0点

またしても、5教科の中では相変わらず一番低いです。

しかしこの47.0点、今年度5回の北辰テストの数学の中で一番高い平均点となりました。

ちなみに今年度の北辰テストの数学の平均点は以下のようになっています。

第1回数学 43.0点
第2回数学 46.9点
第3回数学 44.9点
第4回数学 44.9点
第5回数学 47.0点 ←今回

 

これから使う記号

これから北辰テストの数学の問題を見ていきます。

問題を見ていく際に使う記号を以下のように設定します。

◎…全受験生にとって正解すべき問題
△…全受験生にとって不正解でも大きな痛手にならない問題
★…上位校を狙うなら正解すべき問題(=差がつく問題)
☆…中位校を狙うなら正解すべき問題

上位校の目安としては偏差値65以上、中位校の目安としては偏差値55以上を想定しています。

それでは始めていきます。

 

大問1は40点必須!

大問1(49点)

問1…文字式の計算(4点)◎
問2…正負の数の計算(4点)◎
問3…式の計算(4点)◎
問4…平方根の計算(4点)◎
問5…連立方程式の計算(4点)◎
問6…2次方程式の計算(4点)◎
問7…1次関数(4点)◎
問8…資料の活用(4点)◎
問9…空間図形の体積(4点)◎
問10…角(4点)☆
問11①…文字式の利用(4点)◎
問11②…文字による説明(5点)★

大問1は◎の問題が40点分あります。

問1~問9まで、落とせない問題が並んでいます。

中位校以上を目指す人なら、問10も正解したい問題です。

問10の受験生全体の正答率は49.4%ですが、偏差値55以上の受験生の正答率は63.0%、偏差値60以上の受験生の正答率は80.2%でした。

問10の問題は、点Bと点Eを結ぶと、星形と三角形の2つの図形に分かれます。

星形の内角の和は180°(詳細は省略します)なので、三角形の180°と合わせて、合計360°になります。

大問1の中での差がつく問題は問11②です。

問11②の受験生全体の正答率は14.3%ですが、偏差値65以上の受験生の正答率は59.5%、偏差値70以上の受験生の正答率は85.8%でした。

問11②は一見難しい問題に見えますが、黒いタイルと白いタイルを別々に考えるようにすると、正解に近づけます。

 

今回の大問2は差がつく問題が多い!

大問2(23点)

問1…確率(4点)◎
問2…垂直二等分線の作図(5点)★
問3…平方根の利用(4点)★
問4…文字式の利用(4点)★
問5①…一次方程式の利用の立式(3点)◎
問5②…一次方程式の利用(3点)☆

大問2は◎の問題は問1と問5①の7点分です。

この2問は確実に正解しておきたい問題です。

問1の確率の問題は、樹形図を描いて考えましょう。

”少なくとも”という問題文中の言葉に気を付けましょう。

問5①の問題も、問題文を最後まで読んで考えれば正解できます。

中位校以上を目指す人なら、問5②も正解したい問題です。

問5②の受験生全体は38.6%でした。

問5①で式を立ててxを求めても、それが直接答えになりません。

このことが約4割という正答率になる原因でしょう。

xを求めてその値を代入して、残金を求めます。

残金を求める式は 1900-(900-200) で、答えは1200円になります。

 

今回の問題の大問2は差がつく問題が多いです。

大問2の中での差がつく問題は問2、問3、問4の3問です。

受験生全体の正答率が問2で21.3%、問3で14.9%、問4で8.8%となりました。

偏差値65以上の受験生の正答率は、問2で42.1%、問3で50.8%、問4で42.4%です。

偏差値70以上の受験生の正答率となると、問2で64.2%、問3で76.6%、問4で75.1%となりました。

問2の作図の問題は、答えを見るとシンプルな作図なように見えますが、問題文からその答えを思いつくのは簡単ではなさそうです。作図でわからない問題に遭遇した時には、ひとまず思いついたものを描いてみるのもいいですよ。

問3の平方根の大小を比較する問題のキーワードは「2乗」です。2乗したものを比較すれば、平方根の大小もわかります。

問4の文字式の利用の問題の第一印象は、出てくる文字数が多いということです。問題文に書かれているxとyに加えて、Aさんの得点を「A点」として計算に加えてあげると、答えを求めることができます。まずAさん、Bさん、Cさんそれぞれの得点を文字で表してから、3人の平均を求めましょう。そして最後にCさんの得点と比較すれば、答えを求められます。

 

大問3は問1を確実に!

大問3(10点)

問1…直線の式(5点)◎
問2…座標(5点)△

第4回と同様、そして入試問題でも同じく、関数の問題は(1)を確実に取れるようにしましょう

今回の大問3の問1は、直線の式を求める問題でした。

この直線は原点を通っているので、比例の式になります。

y=axに点Aの座標(-4,2)を代入して求めましょう。

問2は相変わらず難しい問題でした。受験生全体の正答率は2.2%。

この問題の優先順位はかなり下かと思われます。

 

大問4は問2まで解けると理想

大問4(18点)

問1①…合同の証明(7点)☆
問1②…角の大きさ(5点)★
問2…面積(6点)△

中位校以上を目指す人なら、問1①の証明は正解したい問題です。

この問題の正答率は35.5%。

偏差値60以上の受験生の正答率が72.9%、55以上で51.1%でした。

証明の問題では、等しい関係を1つ1つ箇条書きの要領で書き出していきます。

この証明の問題のポイントは2辺に挟まれた角です。

場所は違えど、90°+∠EDF であることを証明する必要があります。

 

大問4の中での差がつく問題は問1②としました。

問1②の受験生全体の正答率は23.7%。

偏差値70以上の受験生の正答率が89.6%、65以上で71.2%でした。

問1②は、問1①で合同を証明できていなくても、合同であると決めて解く問題です。

もちろん問1①ができていなくても、問1②で正解できていれば当然5点もらえます。

この問題では「∠AEC+∠AFC」となっていますが、この問題文通りに考えると答えまで到達しないと思います。

∠AEC=∠AED+∠CED、∠AFC=∠DFC+∠AFD にまず分けます。

そして問1①で証明した合同より、∠AFDの代わりに∠ECDを用います。

したがって、∠AEC+∠AFC=∠AED+∠DFC+∠CED+∠ECD となり、

∠AEC+∠AFC=45°+45°+∠CED+∠ECD となります。

∠CED+∠ECD は、∠ABC=108°という問題文の条件を用いて求められます。

以上のことより、∠AEC+∠AFC=45°+45°+18°=108° となります。

くれぐれも大問4の問題文に書いてある、「直角二等辺三角形です」という文言を見逃さないようにしてください!

 

問2の受験生全体の正答率は1.4%でした。第4回同様、この最後の面積を求める問題は解けなくても気にする必要はありません。

一目見てこの問題厳しいぞと思ったら、これまで解いた問題の見直しにとりかかりましょう。

解ける!と思った問題でしっかり得点することを強く意識するといいですよ。

 

まとめ

全受験生にとって正解すべき問題(◎)は、52点分でした。

内訳
大問1 問1~問9・問11①
大問2 問1・問5②
大問3 問1

上の52点分すべてが取れれば、偏差値53です。

今回はこの52点にどれだけ+αがあるかが勝負の分かれ目になります。

差がつく問題(★)は、23点分でした。

内訳
大問1 問11②
大問2 問2・問3・問4
大問4 問1②

☆の問題に加えて上の★の23点をしっかり取れた受験生にとって、今回の北辰の数学の結果は、満足のいくものになったのではないでしょうか。

 

前回のレビューと同じことを繰り返しますが、北辰テストの数学で大事なことは、簡単な問題で正解できるかどうか、ということです。

今回の北辰テストの数学で言えば、◎の4点の問題を1つ間違えただけで、偏差値に2.5程度の違いが生まれます。

私立高校のことも考えると、北辰テストでは後悔しない結果を積み重ねていきたいですよね。

北辰テストは第5回が終わりました。

次の北辰テストは11月3日です。

中間テストの勉強もしなければならない受験生も多いかと思いますが、中間テストの勉強と並行して受験勉強も行ってくださいね。

以上、北辰テスト第5回の数学のレビューでした。