英泉通信11月号発行しました!
11月に入ってようやく、秋らしい爽やかな日が続いています。
今年は日本列島を大型台風が次々と襲い、各地に大きな被害をもたらしました。
さいたま市でも夜中に緊急避難を呼びかける放送があり、降り続く恐ろしい雨音を聞きながら、荒川の決壊や氾濫を本気で心配しました。
今後もまたこのような巨大台風や諸々の災害に見舞われ、「激甚」な被害を受けるとしたら、私たちはどうすればいいのだろうと、暗澹(あんたん)たる気持ちになります。
地球温暖化を今すぐにでも止める方向に行動していかないと、この気候変動は加速するばかりでしょう。
『えんとつと北極のシロクマ』写真と文=藤原幸一(少年写真新聞社)という絵本があります。
シロクマは、北極の先住民に、特別な「気」や「魂」が宿っていると信じられていて、「北極の精霊」と呼ばれる存在だそうですが、雪や氷に似合う美しい姿をしています。
そのシロクマの親子の悲しい物語です。
地球温暖化は北極にも押し寄せて、海の氷が溶けだしてしまい、シロクマにとっての大事な食糧であるアザラシが海に逃げ込んでしまいます。
アザラシも自分のいのちを守るのに必死です。
そのシロクマの親子が、食べ物を求めてさ迷いながら、えさを捕ることができず死んでいきます。
人間の乱獲によっても少なくなっているシロクマやアザラシがこれからも生きのびていく術はあるのでしょうか。また、人間の排出し続ける「どく」も北極にまで蔓延(まんえん)し、ここに生息する生物や、先住民たちの身体を蝕(むしば)んでいます。
どうすれば地球がよくなるだろう、真剣に考えよう、とこの絵本の作者は私たちに呼びかけています。
小・中学生のみなさん。
この絵本を手に取ってみてください。
写真と文で綴(つづ)られた美しい絵本です。
人間はもとより、生きとし生けるものが本当に幸せに暮らせるために、為すべきことはたくさんあると思います。
美しいものが美しくあるために、
健やかなものが健やかにあるために、
私たち人間は努力しなくてはなりません。
あなたがたの、美しく健やかな生命(いのち)こそ、最も大切なのですから。
勉学の秋ですね。
秋の夜長を自分のための充実の時間にしてください。
勉強もしっかり頑張りましょう。
学力をつけ、人間力を培って、豊かなあなたの人生を切り開いていってください。
これからの世界のため、地球のため、
あなたがたの健やかな知性、感性がとても必要です。
英泉塾塾長